神戸支部 研修会報告
- bikouup
- 2023年10月12日
- 読了時間: 6分

日 時 令和5年7月25日(火)午後1時から受付 午後1時半開始
場 所 兵庫県立須磨友が丘高等学校 セミナー教室
テーマ 「高校の美術の授業におけるiPadの活用とICT教育の可能性と課題」
と題して研修会を企画しました。
内 容
午後1時半 〜 午後2時半(1時間程度) 講演
1、講師によるiPad活用のためにいくつかの効果的なプロセシングを紹介
MESHで音楽ファイルを作るアーカイブやポートフォリオの作り方等
最新のアートサイエンス、デジタルアート報告話題のChat GPT
講師 大阪芸術大学芸術学部アートサイエンス学科 木塚あゆみ准教授
木塚先生からは、事前に支部会員からの質問に回答していただきました。学校により採用しているアプリが違います。 Teams, Google classroom, Classiホーム,ロイロノートなど、また学年ごとに使っているアプリが違う学校もあります。それぞれのアプリの特徴や比較を簡単に説明していただき、それぞれのメリット・デメリットについても教えていただきました。続いて『tabletを使った美術の授業いろいろTips』と題してご講演いただきました。
内容のトピックとしては
◇ アプリでスケッチ・お絵描き
a. 2D
b. 3D
特に、ブラウザ経由でアプリを使用できるものを紹介して貰いました。制約が多い生徒のタブレットでも、気軽に使用できるので、時間があるときに使えるのではないかと、活用の可能性を感じました。また、3Dの作画の難しさも楽しみながらゲーム感覚で使えるものがあり、来学期、すぐ使用できるものがありました。
◇ アプリで動画制作(撮影・編集・リリース)
a. 実写・クレイアニメーション
b. アニメーション
ストップモーション実写アニメやクレイアニメなど、生徒も簡単に操作できるものをいくつか紹介していただきました。こちらも、この夏休みの時間を使って試してみると面白そうだというアプリの紹介でした。
◇ アプリでパフォーマンス
◇ アプリでプログラミング
a. グラフィック
b. 実世界(IoT)
アプリでパフォーマンスは、生徒の身体表現とタブレットの機能を使ったもので、これは体育の授業、特にダンス表現、または課題研究や、内容によってはクラスでの活動で面白いことができるものでした。
また、アプリでプログラミングでは身体機能と連動させて、問題解決を図ることができるもので、可能性が広がるものでした。今回、特別支援学校の先生方も参加くださったのですが、関心を持たれていました。こんなのがあったら良いなと思うアプリでした。
今回ここまでで、予定していた1時間を使い切ってしまったので、十分に質疑応答の時間を取れず、また、お話を聞いただけでは消化しきれない、盛りだくさんのトピックだったので、事後にも質問を受けますよということで、講師の先生の連絡先などを公開していただきました。
休憩を挟んで 午後3時 〜
2、支部教員による授業実践発表 iPad を活用して
・須磨友が丘 S先生
・親和女子 Y先生
【実践発表1】 県立須磨友が丘高校 S先生
iPadを使って1年生の授業で「学校のC Mを作ろう」という授業の紹介をしました。本校ではiPadを採用しており、授業で使うアプリとしてはTeamsとロイロノート、その他の無料アプリは学校で一斉にインストールし管理するので、美術からはiMovieとGaragebandを希望し、全生徒のタブレットに入っています。
実際の授業で生徒に配布したプリントを配らせて貰いました。タブレットを使っての撮影の仕方や、アプリの使い方をどう指導するのか、また参考に見せる動画や生徒が作ったC Mを見ていただきました。ちなみに生徒が作った動画の優秀作品は、生徒会のS N Sサイトで公開されています。
動画制作アプリの使い方はYoutubeに公開されているので、私は積極的に活用しています。検索する力、画像から理解して応用する力も求められる時代です。「わからないところはYoutube先生に聞こう」で、生徒はサクサクと進めて、誰一人出来ない生徒はいませんでした。
他にTeamsや ロイロノートを美術の授業でどう活用しているかを紹介しました。
チャット機能や、資料の共有、課題の出し方など。
また、A I生成画像アプリを使った授業をしているので、その紹介もしました。
【実践発表2】 親和女子高校 Y先生
イラストアプリ「スケッチブック」を使用した絵画制作の実践発表がありました。iPad導入して6年になるという私学の学校環境もあり、善住先生が研究されてきた実践発表には工夫がたくさんあり、特にお絵描きソフトで何ができるか、どう活用するか、どのように完成させるかというヒントがたくさんありました。授業では「スケッチブック」アプリの活用とロイロノートをうまく活用されていて、他校でロイロノートのようなアプリで授業を進めておられるところには、参考になる裏技の紹介がありました。
授業の題材は「影」を撮影してそこから心象表現へと広がりを見せる手法でした。タブレット導入以前は、同じテーマを画用紙に制作されていましたが、コロナ期間に「非接触」が言われ、手指消毒だけでなく用具や机椅子の消毒など半年前までいずれの学校でもやっていた事だ。これを機に善住先生はタブレットを活用して何かできないかと考えられたようです。
タブレット導入を機に、各校で研修会やまた教科でどう使うかなど検討されていると思います。前半に有用なアプリの紹介をしていただいたので、この夏に試行錯誤をされ、活用研究が進むことを期待します。
午後4時 〜
3、タブレット 活用の実際 (練習あり)
・A I生成画像体験 実際に私が授業で使っているアプリをダウンロードして、A Iに絵
を生成させるという体験をしました。
・Teams にできること
連絡、チャット、振り返りシートの活用、問題作成、課題(提出と返却)、データの取り出
し方他
・スライド(パワーポイント)を使って、クイズ大会を紹介(これは面白かったと感想をいた
だきました。)単発授業のアイデアです。
I T、I C Tという用語が学校に入ってきて、またタブレット持参の生徒の入学が現実となり、色々な問題が明らかになってきました。
各校におけるハード・ソフト両面の問題。(wi-fiや生徒のI D管理、アプリのインストールなどのタブレットの管理などなど)アプリをどう使い、どのような課題をどう指導するのか、またどう評価するのかなど、まだまだこれから、研究・研修が求められるテーマです。ネットの世界は日々「進化」し続けるので、教員も興味を持ってその分野の変化に注視する力が必要になるでしょう。先生方の中にはアナログ表現のこだわりを持つ方もいらっしゃるとは思いますが、21世紀になり、社会はI Tの技術革新とともに大きく変わっています。ネットの中の世界や表現といったものを知らなかったことのようにはできない時代になっています。今日が、「知る」きっかけになれば良いと思いました。
美術の授業が「実技=作品制作」一点張りでやってきた時代ではなくなってきています。デジタルも表現の一つとして、教師自身の研修が必要であると痛感していました。
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