東播支部 夏季研修会
- bikouup
- 2023年10月13日
- 読了時間: 5分

日 時 令和5年7月25日(火)
14:00~18:00
場 所 兵庫県立明石西高等学校4F 美術室
参加者 6名 以下高校名
(小野)、(明石西)、(加古川北)、(明石南)、(明石)、(加古川南)
内 容
・授業実践について
・タブレットの使用について
・観点別評価について
・授業の課題について報告
・その他情報交換
授業の実践報告を主に、美術の授業における
BYOD実践や、新課程における観点別評価などについて議論を深めた。
授業課題について
それぞれの実践報告をおこなった。
(加古川北)
<美術Ⅰ・ロイロノートを活用した振り返りカード・友人の作品の評価カード作成>
素描の制作過程をタブレットで撮影し、ロイロノートのテキストカードに文章と共にまとめ、レイアウトさせた。タブレットペンを用いて書き込む生徒もいれば文字を入力して書き込む生徒もあり、バリエーション豊富である。 素描のモチーフはレンガとテニスボールである。4時間ほどかけて制作するが、事前にパースの取り方や球体の描き方など図法の指導を行ってから制作に臨んだ。過程を写真に取ることで生徒自身も出来上がっていく様子を見て確認できる。
作品の相互鑑賞では、友達の作品を1枚選んで撮影してロイロのテキストカードに評価文と共にレイアウトした。画面共有機能で全員の評価カードを共有して鑑賞した。また、テスト作成機能の中のアンケート作成機能でモチーフを観察するためのワークシートに自由記述させた。紙で行っていたことだが、集約に便利で内容の共有が容易である。
(明石西)<美術Ⅱ
・文化祭で展示する作品を共同制作>
たまたま今年の本校の文化祭ではクラス展示が1つもないという状況であったため、作ることが好きな生徒達は意欲的に取り組んだ。3名から5名の班に分かれ企画立案から生徒に考えさせて実施した。既存のSNSやアニメから着想したアイデアや、平面的な作品が多かったため、オリジナルな発想に限定させることや、アイデアを形にするための事前の準備として、素材や用具に対する知識を深め実践させる必要があった。
(明石南) <美術Ⅱ ・教科書の活用 ・家族を描く>
・ベスト3を決める
教科書(美術2 光村図書)の中から生徒が自分のベスト3を選び理由を書き作品を描写する。毎年、年度の始めに1時間かけて教科書の説明を行い、その後、作品選びにうつる。制作時間にはかなりの個人差が出るが文章も描写もそれぞれが緻密に丁寧に取り組んでいる。
・家族を描く
教科書(美術2 光村図書)の「人物を描く」の頁を用い、家族の写真をもとに人物画を制作する。「家族」には自分も含まれることとし、ペットは家族の誰かと共に描写する。モデルを撮影するにあたり母は撮らせてもらえないなどの微笑ましいエピソードもありつつ、それぞれの家族の在り方を考えさせられるような課題である。
制作進度は意欲に関わらず、個人差があるが、作品が完成した達成感を味わわせることを大切にし個々の取り組みを丁寧に評価していくことが重要である。
(小野)
<3年選択:学校設定科目「コンセプトデザイン」紙による立体造形「リモートめがね」の制作>
コロナ禍で、リモートで対面する機会が増えたこともあり、画面の向こうの側の友人とより楽しくコミュニケーションをとることができないかと考え、「リモートめがね」の制作を試みた。
生徒の実態として、立体制作の経験が少ないため、素材の特徴や・道具の扱い等、モノづくりの難しさに直面することが多い。そこで「めがね」であれば平面から展開しやすいのではないかと考え取り組ませた。
制作にあたって特に細かな規定は設けず、「装着できること」のみ。素材はケント紙を使用し、着色はアクリルガッシュで行った。既存の形にこだわるのではなく、多方面から考え発想しコンセプトを練り上げていくよう指導した。完成後と途中段階にプレゼンテーションの機会を設け、自らの作品を自らの言葉で表現させた。生徒同士の意見交換を活発に行うことで、自分の考えに他者からの視点を加えることができた。今後、めがねに合うファッションやパッケージなど考える題材へと発展させていきたい。
(明石)<2年美術科ビジュアルデザイン ポスタリゼーションを用いた色彩構成>
同じ色相の中でのグラデーションから、異なる色相同士も用いるなど配色のバリエーションを拡げることをねらいとして取り組ませた。生徒はiPadを利用しているためアイビスペイントなどのアプリを用いて写真を5段階前後の階調に分かれるよう画像加工し、それを頼りに色の境目をケント紙に描きとっていった。着色はポスターカラーの平塗りで行った。
(加古川南) 教科書(高校生の美術2 日本文教出版)を活用した実践である。絵画「錯覚による不思議な感覚」より鉛筆によるトリックアートを制作させた。一定の角度からでないと狙い通りの錯視の効果は得られないものだが、写真に撮影することでリアリティを増して見える面白さがある。
彫刻「身近なもので生み出す」よりジョセフ・コーネルの作品を参考にボックスアートを制作させた。既成のボックスを用いてその中に空間表現させたが、生徒は意欲があるがゆえに身近な素材に飽き足らず、新たに材料を買い求めてしまう。楽しんで制作できる良さもあるが、題材のねらいを表現するための意識づけは今後も探っていきたい。
他に教材として、色面構成(美術Ⅰ)、名画のレタッチ(2年生 絵画)、思い出マップ(美術3)が紹介された。
評価・BYOD・その他いろいろの情報交換
観点別評価については各校の実情に任せられている現状があり、3観点の比率や、観点評価と評定とがリンクする学校としない学校など様々である。またBYODについても各校で0Sやアプリの違いがある。どちらも転勤で異動の際に、新任校の方法を一から習得する必要がある。また、非常勤講師の場合、複数校をかけもちするとそれぞれに異なる方式を採用している可能性が高い。各校の実情を情報交換し、生徒にとってより有意義な方法を確立していく必要性があると考える。校内では芸術科の話し合いは持たれるが、主に教育課程に関する内容が多い。音楽、書道、美術ではそれぞれの教科としての特性も異なるため、科目や年次による題材設定のねらいや評価について、また画材などの教材の情報交換について話し合いを重ねることができ有意義な会となった。
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